あおけん

【青春研究会】 第一弾 エンゾーさん3話目  好き嫌いを堀り、エッセンスを絞り、”らしさ”に気づく

学生時代から青春を研究し続ける嶋本が、”この人青春しているな”っと感じた人にインタビューをしに行く企画。

青春研究会(略してあおけん)。

日々楽しく、面白く。キラキラしている人たちは何を感じて、何を思っているのでしょう
みなさんの生活の何かのヒントになれば幸いです。

 


エンゾーさんの想いってあるじゃないですか?
その想いをスタッフさんはどう感じているんですか?

 


どうでしょうかねー?
うちは商品を新しく考えて形にしている商売なんで、日々ずっとプロダクトの会議をしているんですけど、たまにわざと揺さぶりをかけてみると「一般のお客さんっだったらこのアイデアは受け入れてくれないかもしれないね。」って社員たちの口から出てくる。

で、それをもっと受け入れやすいように「こんなふうに変えたらどうだろうか?」みたいなことを言ってみたりするんですが、そうするとしばらく考えた後に、「それって便利になるかもしれないけど、ユリシーズらしくないですね。」ってことを言って来るんですね。

社員はそういったものに敏感になるのかもしれないけど、おもしろいなぁって思うのは業者さんもそうなんですよ。

うちが製造を依頼する工場が全国にあるんですけど、こちらが仕様を投げてそのサンプルを作ってくれって実際に形にしてくれる。
そしたらその方から連絡が入って「今の設計のまますすめるとこのような不具合が出る可能性がある。この手の不具合を特に対策をせず製品化してしまうとユリシーズらしくない。こういう改善案を考えたんだけどどうですか?」って向こうから言ってこられて、それは非常にうれしいというか。

 


そうですよね。

 


社員さんじゃない人から”らしさ”っていうものを語られて、それも的確。
内心こっちが気になってたけど言わなかったことだったりするんですね。
そういう時はなんか伝わてるなって思います

 


じゃーあれですね。
内心思ってたけど言いずらいってことだったり、ユリシーズらしさだっだりを周りの人が知ってくれていると、エンゾーさんしかりユリシーズ自体もすごく楽ですよね。

 


そうですね。
その時におもしろかったのがその業者さんのセリフを聞いた時に社員がめっちゃ喜んだんです。
そのセリフが出てきた瞬間に聞いていた連中が一斉に「おぉ!」ってなって。

長年その道で専門にされてきた人には、逆にうちが新鮮っていうか、「あんたんとこユニークやね。」って感じで。

 


なんか最近ね、何かになろうとしてしまう人ほど悩んでいる人が多いなぁっと思っていて。
例えばうちとかなら「トレーナーとはこうあるべきだ!」とか、「母親とはこういうものだ!」っていうことに当てはめたときに、”らしさ”っていうものを悪いものとするというか。

 


ステレオタイプってことですね。

 


そうですね。
例えばお母さんは「子どもたちには手作りのご飯を食べさせないといけない。」って思っている。
だけどその人らしさがあるなら外にご飯を食べに行くのも僕はありやと思っている。

トレーナーでも身体を動かすのが好きなトレーナーもいれば、実はそんなに動かすのは好きじゃないトレーナーもいたりするんですけど、そうなったらどういう想いでどういうトレーニングをしているのか。自分らしいトレーニングとは何かって想っている人の方がすごく伸び伸びしているし、それを周りの人がわかってくれているってことが実はすごく本人にもハッピーなことが多いというか。

今のエンゾーさんの話を聞いていて、カメラを扱っているところはこういうものだからこうゆうふうに発注しないといけないっていうのは全くなくて、それこそユリシーズらしく発注したりオーダーしたりっていうのがあるからおもしろいなぁって思ったんです。

 


僕ら的にはユリシーズ”らしさ”とは何かっていうのは定義してないんですよ。
だから業者さんから見たときに、ユリシーズがまったくうるさく言わない所と「ここはこだわって下さい。」ってところのメリハリがあるんだと思う。
OKゾーンとNGゾーンの表現を繰り返していくうちに、その境界がはっきりしてきて、それで輪郭がわかる。
その輪郭がイコール”らしさ”だっていうのが後からわかってくるところだと思うんです。
で、そういうのを繰り返すことでしかそういうものって表現できない。

 


”らしさ”って明文化するのが難しいなぁって思っていて。
明文化するって無理くり箱に押し詰める感じが僕にはあって、ユリシーズらしさって言われたときに”感じれる”かどうか。それこそどれだけそれに携わっているか、関係しているか。関係性をどれだけもっているかがないと感じれないのかなぁと。
”らしさ”は感じるものなのかなぁと。

 


明文化の危ない所って、明文化しなかったところは違うんでしょになっちゃうところ。

 


ぱきっとしちゃうってことですもんね。

 


うんうん。
で、言わなかったけどそれも”らしさ”だよって多分にあるでしょ?

 


うんうん。

 


だからそこが明文化の罠っていうか。あ、誤解されちゃったとか。
自分で自分をそういうふうにしちゃったとか。
いろんな弊害がある。

 


わかります!わかります!(笑)

 


ははは(笑)


ははは(笑)

 


ありますよねー。

 


ありますねー。

 


だからうちもスタッフにうちの方針や想いをわかってもらおうとして、最初てこずったのは、その部分ですね。
この商品はこういうふうなものを盛り込みたいんだって言った時に、言わなかった部分は盛り込まなくていいって判断されてしまって、結果僕の思ったものと全然違ったものが上がってきてしまったんです。
「え?なんで?」って聞いたら「だって言わなかったでしょ。」って言われて「なるほど!」ってなった。
なんでも言わないより言ったほうがいいって思っていたけど、言うって行為そのものが次の危険を生むっていうジレンマがあるなって。

 


自分っぽさを自分で認識するって大事やなぁって思っているんですけど、自分らしさを気づいていない人って探し回ってしまう傾向にある。
OKゾーンもNGゾーンも自分でわかっていないので、あっち行ったりこっち行ったりしちゃうことがあると思うんですけど、そういう人が自分らしさに気づくために、エンゾーさんやったらどういうアドバイスをするとかありますか?

 


そーですね。
快と不快ってすごくわかりやすいキーワードだと僕は思っています。
普通どっちの場合でもサラッと流してしまうんですよ。
面白かった、楽しかった、ちょっと腹立ったとか。
その場だけでサーって流れちゃう。

けど、そこをあえて意識的にちょっと覚えておく
「今日俺あういうことに腹立ったけど、なんで腹立ったんだろう?」「これいつも楽しいなと思ってやっちゃうけどそもそも何が楽しいんだろう?」っていう、ネガティブな反応、ポジティブな反応の理由を、ずっと「なんで?なんで?」って自問自答してみるっていう。

それって意外と効果があって、それを2回3回掘っていくんですよ。
そーすると、だんだんエッセンスが残ってくる

自分が例えば「山の中に行くのが好きだな。」って思っていたら「それってなんで?空気がいいからじゃないか?空気が良いとなんでいいの?って。うーん、なんんか清々しくなれるから。清々しくなれるとなんでいいの?うーん、帰って人にやさしくなれるから。あれ?ほんとは俺人にやさしくしたかったの?そっかそういう関係性を大事にしているだ!」みたいな感じで、ちょっと”最初の山に行くのが好き”では見えなかった本質的な自分の求めているものがポロって出てきたりするんですよ。
なので、ネガティブな反応もポジティブな反応も掘ってみる。
理由を掘ってみるっていうのは、自分の中の”らしさ”を浮き上がらせる意味ではものすごくわかりやすい手段だという風には思います。

 


好きって思ったことや嫌いって思ったことを心のどっかに止めておいて、それを掘っていってみる。

 


そうですねー。

 


そしたら結局この好きとこの好きって、掘ってみたら一緒やんってことになる。

 


そーですねー。
キーワードは減ってくると思います。
割と2つぐらいに集約される。

 


じゃあ、具体的なことからどんどん抽象度が上がってきて、抽象度が上がっていくと2つぐらいになるんですね。
それが多分自分らしさってとかになっていくんですかね。

 


そう。両方大事にしているんだなとか。
そういうのがだんだんわかってくるんですよ。
これ実はうちのブランドのコンセプトとかを掘った時にそういう手法でやったんですけど、うちはそれで最終的にたどり着いたのが”新しい、懐かしい、心地いい”っていう3つに集約されるなってなったんです。
あ、うちは必ずこの3つが入ったものを作っているんだって後から分かったって。
なのでそういうことを大事にする人間なんだなって思い至った。

 


それ何歳ぐらいの時ですか?

 


えーと今から7~8年前ぐらいですね。
けどそれがわかってからはそんなに困らなくなった

 


それを軸で考えたらいいですもんね。

 


そうですね。

 


それがわかった時、例えば新しいものを作ろうとしたときに、そのコンセプトに当てはまらないからストップがかかったことってありますか?

 


その中の一つが決定的にかけているものを思いついて、アイデア自体はおもしろいから一回盛り上がったとするじゃないですか。
でもそういう時って絶対どっかに違和感があるんです。

確かにおもろいんだけど、それほんとに欲しいっけ?みたいな。
例えば実際作ってお客さんの立場で手に入れたとしても、なんかモヤモヤが残るって思ったら何かが欠けてるんですよ。そ
うか新しいし、懐かしいかもしれんけど、別に心地よくないなみたいな。
心地いいのは間違いないけど新しくないなみたいな。
なんか照らし合わせる一つの判断材料としては役に立ちます。

 


よくある会社って売れるから作るっていうのあるじゃなですか?
でも結局売れないみたいな。(笑)

どっかが売れているからその商品を作るみたいなことをやったとしても、やっぱり思い入れとかがあるわけじゃないので、伝わらないというか。
なんて言ったらいいのかな。

やっぱりユリシーズには愛を感じますね(笑)

 


基本やっぱりみんな”楽しい”って思うことにお金払っているじゃないですか。
何十年も前にヒューレッドパッカードのデザイナーが言ったことが、「トースターを作ろう!ではなくて、こんがりして香ばしい美味しいパンを食べる方法を考えよう!っていうふうな定義をすれば無限に可能性が広がる。」って。

これトースターを作ろうって言った時点でトースター以外の形してないんです。
けど、結果として自分が楽しいと感じるほかほかサクサクのパンを作る為だったらそこに至る方法はなんでもいいよっていうふうにすれば、めちゃくちゃ発想って自由になるじゃないですか?
だからそういう問いの立て方ってのが肝っていうか、それは売れるトースターを作ろうって思っていない訳ですよ。

そこがもう結果的に出てきたものがトースターであったとしても全く違うというか。
だからスタートが違うと出来上がったものの人の心を動かす力はまるで違うわけですよね。

 


好きとか心地いいっていう感情って大事ですよね。

 


そうですね。
なんか心地いいって結構エゴイスティックなことだと思うんです。

でも心地よさっていうのは偽らざる自分の本音なんで、根源的なところでもあるんですよね。
で、そのえげつない自分の欲求を直視して敢えて見たくない部分まで見る。
意外と単純なところにこだわってる、大事にしているってわかったりして、あ、ここさえ外さなかったら心地いいってわかる。

 


エゴイスティック!?

 


そうですね。
割と自分勝手ですね。
会社がちょっと大きくなって失敗するパターンは、エゴだけでやってりゃよかったのに、合議制にし始めるんです。
こんなん考えたけどみんなどう思う?みたいな。
それやるとどんどん丸まっていくんですよ。
でも、会社を大事に育てようとか、みんな仲良くやっていきたいとか真面目な人ほど、合議制にしたがるんです。
実はそれが非常によろしくない。

 


すごいわかります!(笑)

 


(爆笑)

 


すごいわかります。

2018年はそんな感じでした。(笑)

 


そーなんですよ。
合議制って、したらいいところと、しちゃダメなところがあって。


エンゾーさんもそういうので、ああぁぁって思った時期はあったんですか?

 


しょっちゅう(笑)
言いたがりなんで思いついたこと言っちゃうんです。

とあるイタリアの学者さんが言ってることなんですけど、どんなにリーダーシップのある人、あるいは優れたアイデアマンであったとしても、その人がアイデアを生み出した瞬間ってのは非常にはかないんだ
なのにその固まっていないふわふわした状態でいきなりバンっと皆に公開して、どう?って聞いたらまぁけちょんけちょんに言われる。
で、それはあっという間に消えてしまうんだ。
だからそういうアイデアっていうのは最初は大事に守られなきゃいけない
だからみんなに言うんじゃなくてこの人にだけは絶対潰されない、その代わりちゃんと忌憚のない意見も言ってくれるっていう本当の試合じゃなくて模擬戦ができる、スパーリングが出来る相手とだけ共有して、壊れない程度にいろんな角度からつついてもらう。

そうすることにより、自分のだだの思いつきだった種の部分の外側ができてくる。
「なんでそれがいいと思ったの?」「こういう場合だったら悪くならない?」って。
「いやそれは違う。そういう時はこういう対策があるよ。」みたいなことを引き出してもらう。
そうすると骨格みたいなものができて、ふわふわしなくなる

それがカチッと骨組みが出来た段階ではじめてじゃあちょっと他の人にもオープンにしてみよう。
もう質問をうける準備ができている。
そうやっていかないといいアイデアはむしろ弱い。

 


めっちゃ勉強なりますね!(笑)

 


ははは

ははは


僕の勉強になってます。

 


これ経営者とか関係ないんですよ。

逆の立場からすると、経営者の人は鉄の意志をもっているとか、もう自分の意見はごり押しで通すとか思われていたりするんですが、全然そんなことはなくて、すごくナイーブなんですよ。
誰か俺を守ってくれとか言いたくなるぐらい。

だからこそリーダーシップをとるような立場に成ればなるほど、ポッと誰かに全員に言う前に一人で良いからスパーリングパートナーを見つけておいてまずその人に言ってみる。ていう模擬戦が必要。

 


そうですよね。
模擬戦せんまま儚いものを全体に言うと関係性が出来ていなから、「また社長変な事言い出した!」ってなりますよね。(笑)

けど関係性が出来ていると、「これやったらこう悪くならないですか?」ってちゃんと意見を言ってくれるから、枠ができていく。

 


そーなんですよ。

当然自分が行ったときは穴だらけなんですよ。
けどその穴を全員から「穴だらけじゃないですか!」って集中攻撃されたら萎む(笑)

 


攻撃してくれたらまだいいですけどね、攻撃すらしてくれない。
ほんでその辺で聞こえないように言ってるのが一番悲しいパターンですよね。(笑)

 


それを見てさらにまた発案した人は、あぁ自分事化すらさせてあげられなかったって別の意味で凹むみたいな。

 


なんか勉強になっちゃったなぁ。

 


ははは(笑)

 


うちでも模擬戦を重視してます。
相当な時間をかけています。

 

 

今回の青春先輩
魚住謙介(エンゾーさん)
1972年福岡生まれ

トヨタ系列の勤務した後、家業明太子販売店 「有限会社魚住」に入社。
2003年  カメラとレンズのブログ「私が間違っておりました。」を開設。
2009年  ブログ人気をきっかけに
Photo Life Laboratory ULYSSESを開設。
2013年  クラウドファンディングによりプロダクト系の当時最高額の資金を集める。
2015年  水産事業部を閉鎖し、カメラ事業部に統合。
2018年  1号店をオープン。社名を「有限会社CACICA」に変更。


主な取扱店  ヨドバシカメラ 蔦屋書店代官山T-Site SONYストア ほか


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